期間工を辞める時は社会保険の待機なし失業保険が使える

1年以上の会社勤務などで雇用保険料を支払っていた人が、仕事を辞めた時に受け取ることができる失業保険。失業中に生活の心配をせず、安心して次の仕事を探すことでできるように、という目的で給付されます。

この失業保険は、実は期間工ももらえます。しかも、90日間待たなくてはいけない「制限期間」なしで、すぐにもらえるのがポイントです。ここでは、期間工の失業保険について詳しく紹介していきます。

失業保険がもらえる条件は?

失業保険をもらうためには、まず勤務期間中に雇用保険に入っている必要があります。雇用保険とは、31日以上の雇用見込みがある、または1週間の労働時間が20時間以上になる場合に入るものなので、期間工も加入できます。

そして、仕事を辞める前の2年間に「通算して12か月以上」加入していると、失業保険がもらえます。「通算して」なので、連続して12か月入っている必要はありません。ただし、こちらは一般的な条件です。期間工には、「特定理由離職者」という特別な条件があります。

期間工の特別な条件

期間工の契約期間が満了になって、希望したにもかかわらず更新ができなかった場合、「自己都合」ではなく、「会社都合」で仕事を続けられなかったことになります。そのため、期間満了日以前の1年間に「通算して6か月以上」雇用保険に入っていれば、失業保険がもらえるという措置があります。

ここで重要なのは、「期間満了まで」ということです。「期間工として働いて途中で辞めて」を何度かくり返しても、合わせて6か月以上雇用保険に入ることはできます。しかし、それでは「自己都合」になってしまいます。「期間満了まで働いた後、更新がなかった」ということが、失業保険がもらえる必須条件になります。

特別な条件があるワケ

「6か月働いたのに、契約が更新されない」というのは、あまり喜ばしいことではありません。会社の都合で更新できず職がなくなるのも納得し難いですし、「他の人は更新できたのに、自分だけできなかった」などの悔しい状況があるからこそ、6か月での失業保険が認められるわけです。

前の仕事と合わせて12か月以上、または期間工を12か月以上続ければ、問題なく失業保険の支給条件を満たすことができるため、1年働いて失業保険をもらう期間工も少なくありません。

期間工が「待機なし」で失業保険がもらえるのはなぜ?

さらに期間工は、「待機なし」で失業保険を受け取ることができます。「自己都合」で辞めた場合、通常、7日間の待機後、さらに90日間待ってようやく失業保険が給付されます。しかし期間工は、7日間の待機のみで、その後すぐにもらうことができます。

その理由は、契約期間3年未満の場合、契約満了時に辞めると「自己都合」にはなりますが、「契約満了」として扱われるため、90日間の制限がなくなるからです。

もらえる期間と金額は?

次に気になるのは、どれだけの期間どれくらいの金額がもらえるかということでしょう。ここで詳しく見ていきましょう。

もらえる期間

雇用保険に入っていた期間と年齢によって異なります。期間工の場合は、45歳未満で90日、45歳以上60歳未満で6か月以上働くと90日、1年以上働くと180日です。契約期間は最長で2年11か月で、働いている人の年齢は20代、30代が多いため、ほとんどの人が90日になると考えられます。

もらえる金額

1日当たりの給付額は、離職日前の6か月の給与日額の50〜80%になります。金額に幅があるのは、給与によってもらえる失業保険の支給額に大きな差が出てしまうことを防ぐためです。 給与が多い人は、低いパーセンテージが適用されます。

例えば、30歳未満の場合は、給与日額に応じて次のように決められています。

A:2,050〜4,039円→80%
B:4,040〜10,470円→50〜80%
C:10,471〜10,680円→50〜80%
D:10,681〜12,580円→50%
E:12,581円以上→一律6,290円

BとCの計算式は、「(−3×給与日額×給与日額)+(73,240×給与日額)÷76,400」となります。ここでいう日額には、ボーナスは含まれていません。期間工の場合は、Bに当てはまることが多いでしょう。

例えば、辞める前の6か月の月収が、270,000円、280,000円、290,000円、300,000円、310,000円、320,000円だったとします。

1. 6か月の月収を合計する
27+28+29+30+31+32=177万円

2. 給与日額を計算する
177万円÷180日=9,833円

3. 上記の計算式に当てはめる
(−3×9,833×9,833)+(73,240×9,833)÷76,400≒5,629円
この場合、失業保険の日額はおよそ5,629円になり、90日間の総給付額は506,610円です。

失業保険をもらう時に注意すること

7日間の待機期間が終われば、一度に500,000円ほどの給付金がもらえると勘違いしてしまいがちですが、そうではありません。失業保険を受け取る条件は「求職活動をしていて働く意欲があるのに、働くことができない」という状態です。

よって、受給期間中は、28日に1度指定される「認定日」にハローワークへ行き、手続きをしたり求職活動の様子を報告したりすることになります。つまり、認定日から次の認定日までの日数である約28日間分を、数回に分けて受け取ることになります。そのため、次の仕事を始めるまで「数か月海外に行く」なんてことはできません。

受給期間中の過ごし方

契約期間満了まで働き、失業保険をもらっている期間工は、どのように過ごしているのでしょうか?もちろん「次の仕事を探しながら」というのが前提となります。

職業訓練校に通い、資格を取る

ハローワークを通じて申し込む「公共職業訓練コース」があります。テキスト代は自己負担ですが、ほとんどの受講料は無料です。長期間にわたって高度な技術を身につけるコースは、有料の場合があります。

各都道府県によって異なりますが、無料コースには、「溶接科」「介護科」「DTP科」「調理科」などがあります。また、1年以上の有料コースには、「CAD科」「Web制作科」「自動車塗装科」があるなど多種多様です。

正社員の求人に応募する

失業保険をもらいながら、正社員の求人に応募する人もいます。もしうまくいかなかったとしても、また期間工に戻ればいいと考えている人も多いです。再び期間工になれば、経験者として給与や待遇面で優遇されます。

期間工として働き、無駄なく失業保険をもらうには、「期間満了まで1年以上働く」ことが重要です。そうすると「満了慰労金」や「満了報奨金」も受け取ることができるので、「期間満了」を目指して働くことをおすすめします。

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