期間従業員の契約途中に離職(退職)をしたら損をする理由

期間従業員は、入社時に企業と結んだ雇用期間に従い、期間満了まで働くことを了承して入社します。しかし、やむを得ない事情などで、期間の途中で離職したいと考える人もいるのではないでしょうか。

もしもそうなった時、雇用契約を途中で打ち切ることはできるのか、どんな損をするのか、知っておいた方が良いでしょう。注意するポイントについて詳しく紹介します。

契約期間の途中でも離職はできるのか

期間従業員は、入社時に交わす雇用契約によって勤務期間が決まります。短いところで3ヶ月程度、長くて6ヶ月程度の契約が多いです。基本的に、この期間を満了するまで働き通すことが前提になります。

しかし、もしも「期間満了していなくても、期間従業員は辞められるのか?」と聞かれれば、「辞めることはできる」というのが回答になります。仕事内容や職場環境とのアンマッチ、体調不良、家庭の事情など、離職の動機は人により様々ですが、どんな理由であれ、辞められないことはありません。

契約途中に離職すると損をする理由

仮に契約期間の途中で辞めることになっても、罰金などの金銭的ペナルティはありません。しかし、いろいろな部分で損をすることは間違いないでしょう。どんな部分で損をするのか、その理由を具体的に見ていきます。

理由1. 満了金や入社祝い金が支給されない

期間従業員の最大のメリットともいえる「満了慰労金」は、その名の通り、勤務期間を満了することで受け取れるボーナスです。数ヶ月で数十万円もの大金が手に入るケースも多くあります。しかし、途中で離職することになれば、もちろん支払われません。

この満了慰労金を目当てに、期間従業員として働く人も少なくないので、途中で辞めてしまうのは大きな損といえるでしょう。また、期間従業員の特徴である入社祝い金などの各種手当も、支給条件に勤続期間が大きく関わります。

入社祝い金と言っても、ただ入社しただけでもらえるわけではなく、一定期間の勤務や出社率が関係していることが多いからです。往復の交通費や引越し費用などの諸手当も、期間を満了しないと自己負担になる可能性があります。そのため、途中で離職すると、手当の支給がないだけでなく、余計な負担や出費が増える結果になりかねません。

理由2. 失業保険が受け取れない

失業保険は、失業した時に国から支給される、再就職までの生活援助金です。受けられる条件は、自己都合で退職する人と会社都合で退職する人で大きく異なります。

自己都合で退職した人の場合、12ヶ月間同じ企業で働き、雇用保険に加入していることが条件です。失業後3ヶ月間は給付制限がかかるので、実際に受け取れるのは、退職してからだいぶ後になります。

期間従業員が満了前に辞める場合は、この「自分都合での退職」扱いになるので、12ヶ月以上続けて勤務していないと失業保険は受け取れません。しかし期間従業員は、期間満了時に契約が必ず更新されるわけではないので、「12ヶ月以上継続勤務」という条件を満たすことは、なかなかハードルが高いです。

一方、会社都合で辞めることになった「特定受給資格者」と、一定の条件を満たした「特定理由離職者」は違います。期間従業員の場合、契約期間満了に伴う退職は「特定理由離職者」という扱いです。「退職以前2年間に通算して6ヶ月以上」働いていることが条件で、給付制限なしに失業保険を受け取れます。

つまり、期間従業員として6ヶ月以上の勤務を雇用契約通り終えて円満退職した人は、待機期間なしで失業保険を受け取れることになります。もし、企業から契約の更新を持ちかけられて断った場合でも対象のままです。失業保険を確実に受け取りたいのであれば、期間満了という条件は絶対外せません。

理由3. 社会保険が適応されない

企業に属していて、一定の条件を満たして働いている場合は、「社会保険」に加入します。平成28年の労働法改正で社会保険の適応範囲は大きく広がりました。「従業員が501人以上の会社では、1週間の労働時間が30時間以上の場合」など条件が多くありますが、フルタイム勤務の期間工は、諸々の条件を満たすため加入することになります。

一般的に、国民保険よりも社会保険に属している方が、扶養家族などの関係上、保険料が安くなるケースが多いです。簡単に言うと、扶養している人数が多いほど、社会保険の方が保険料がお得になります。期間工を途中で辞めてしまうと、その時点で社会保険を抜けて国民健康保険に切り替えることになるので、差額が大きい人は損をするといえるでしょう。

理由4.同じ企業に再入社できない

期間従業員を雇う企業では、期間満了せず辞めた離職者は、二度と採用しない方針をとっています。つまり、企業データベース、いわゆるブラックリストに名前が載ることになります。数年後や数十年後に再び働こうとして応募しても、門前払いです。

また、関連している企業でも、採用されない可能性が高いです。例えば、トヨタ自動車、トヨタ車体、アイシンAWなど系列が同じ企業の場合は、ブラックリストに載ったら二度目の採用は難しくなります。

期間満了・円満退社のために

期間従業員を契約途中で辞めることは、大きな損をする決断です。そのため、まず働く前に「自分に向いている仕事か」をリサーチし、イメージしてみることが重要といえます。そして、「大変でも期間限定だからやり切ろう」という意気込みで臨めるかがポイントです。

初めて挑戦する人は、契約期間が3ヶ月の短いものから始めてみて、自分にできる仕事か見極めるのも良いでしょう。どんな仕事も最初の3ヶ月は慣れずに四苦八苦するものなので、「大変なのも致し方ない」と割り切る気持ちが大切です。

しかし、それを乗り越えられれば、「できる」という自信がもてるので、次回以降は6ヶ月の勤務でも大丈夫でしょう。

真面目に働いていれば、契約更新の打診があるかもしれません。また、満了して退職した後、もう一度応募して、同じ企業に再就職することもできます。経験者であれば、給与や手当が優遇されることもあります。

まとめ

期間従業員は、満了時のメリットや待遇面が良い仕事です。支給対象になるためには、契約期間中の仕事をきっちりやり遂げる必要があります。

決して楽な仕事ではないので、応募前にどんな仕事かリサーチするなど、ある程度心構えをしておきましょう。メリットにだけ目を向けず、デメリットとなる部分も理解し、自分が妥協できるか内容かどうかをジャッジしておいてください。それが、契約途中の離職を防ぎ、期間従業員としてお得に稼ぐコツです。

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